<Header>
<Author: 白居易>
<Title: 長恨歌>
<Format: 樂府詩>
<Year: 1990>
<BookName: 唐詩三百首詳解  下卷>
<Translator: 田部井文雄>
<style: 漢文有假名>
<style2: 日本漢文訓讀附假名標注>
<TranslatedTitle: 長恨歌>
<BookPage: 100>
<UsedPage: 1>
<Feature: 4>
<End Header>
<Poem>
漢皇重色思傾國，
御宇多年求不得。
楊家有女初長成，
養在深閨人未識。
天生麗質難自棄，
一朝選在君王側。
回眸一笑百媚生，
六宮粉黛無顏色。
春寒賜浴華清池，
溫泉水滑洗凝脂。
侍兒扶起嬌無力，
始是新承恩澤時。
雲鬢花顏金步搖，
芙蓉帳暖度春宵。
春宵苦短日高起，
從此君王不早朝。
承歡侍宴無閑暇，
春從春遊夜專夜。
後宮佳麗三千人，
三千寵愛在一身。
金屋妝成嬌侍夜，
玉樓宴罷醉和春。
姊妹弟兄皆列土，
可憐光彩生門戶。
遂令天下父母心，
不重生男重生女。
驪宮高處入青雲，
仙樂風飄處處聞。
緩歌慢舞凝絲竹，
盡日君王看不足。
漁陽鞞鼓動地來，
驚破霓裳羽衣曲。
九重城闕煙塵生，
千乘萬騎西南行。
翠華搖搖行復止，
西出都門百餘里。
六軍不發無奈何，
宛轉蛾眉馬前死。
花鈿委地無人收，
翠翹金雀玉搔頭。
君王掩面救不得，
回看血淚相和流。
黃埃散漫風蕭索，
雲棧縈紆登劒閣。
峨嵋山下少人行，
旌旗無光日色薄。
蜀江水碧蜀山青，
聖主朝朝暮暮情。
行宮見月傷心色，
夜雨聞鈴腸斷聲。
天旋日轉迴龍馭，
到此躊躇不能去。
馬嵬坡下泥土中，
不見玉顏空死處。
君臣相顧盡霑衣，
東望都門信馬歸。
歸來池苑皆依舊，
太液芙蓉未央柳。
芙蓉如面柳如眉，
對此如何不淚垂？春風桃李花開夜，
秋雨梧桐葉落時。
西宮南苑多秋草，
宮葉滿階紅不埽。
棃園弟子白髮新，
椒房阿監青娥老。
夕殿螢飛思悄然，
孤燈挑盡未成眠。
遲遲鐘鼓初長夜，
耿耿星河欲曙天。
鴛鴦瓦冷霜華重，
翡翠衾寒誰與共。
悠悠生死別經年，
魂魄不曾來入夢。
臨邛道士鴻都客，
能以精誠致魂魄。
爲感君王展轉思，
遂教方士殷勤覓。
排空馭氣奔如電，
升天入地求之徧。
上窮碧落下黃泉，
兩處茫茫皆不見。
忽聞海上有仙山，
山在虛無縹緲間。
樓閣玲瓏五雲起，
其中綽約多仙子。
中有一人字太真，
雪膚花貌參差是。
金闕西廂叩玉扃，
轉教小玉報雙成。
聞道漢家天子使，
九華帳裏夢魂驚。
攬衣推枕起裴回，
珠箔銀屏邐迤開。
雲鬢半偏新睡覺，
花冠不整下堂來。
風吹仙袂飄颻舉，
猶似霓裳羽衣舞。
玉容寂莫淚闌干，
棃花一枝春帶雨。
含情凝睇謝君王，
一別音容兩渺茫。
昭陽殿裏恩愛絕，
蓬萊宮中日月長。
回頭下望人寰處，
不見長安見塵霧。
唯將舊物表深情，
鈿合金釵寄將去。
釵留一股合一扇，
釵擘黃金合分鈿。
但教心似金鈿堅，
天上人間會相見。
臨別殷勤重寄詞，
詞中有誓兩心知。
七月七日長生殿，
夜半無人私語時。
在天願作比翼鳥，
在地願爲連理枝。
天長地久有時盡，
此恨緜緜無絕期。
<End Poem>
<Translation>
漢皇（かんこう）　色（いろ）を重（おも）んじて　傾國（けいこく）を思（おも）ふ
御宇（ぎょう）多年（たねん）　求（もと）むれども得（え）ず
楊家（ようけ）に女有（むすめあ）り　初（はじ）めて長成（ちょうせい）す
養（やしな）はれて深閨（しんけい）在（あ）れば　人未（ひといま）だ識（し）らず
天生（てんせい）の麗質（れいしつ）、自（おのづか）ら棄（す）て難（がた）く
一朝（いっちょう）　選（えら）ばれて君王（くんのう）の　側（かたはら）　に在（あ）り
頭（かうべ）を回（めぐ）らして一笑（いっしょう）すれば　百媚生（ひゃくびしょう）じ
六宮（りくきゅう）の粉黛（ふんたい）　顏色無（がんしょくな）し
春寒（はるさむ）くして浴（よく）を賜（たま）ふ　華清（かせい）の池（いけ）
溫泉（おんせん）　水滑（みづなめ）らかにして　凝脂（ぎょうし）を洗（あら）ふ
侍児扶（じじたす）け起（お）こすに　嬌（きょう）として力無（ちからな）し
始（はじ）めて是（こ）れ　新（あら）たに恩沢（おんたく）を承（う）くる時（とき）
雲鬢（うんびん）　花顏（かがん）　金步搖（きんほよう）
芙蓉（ふよう）の帳（とばり）　暖（あたた）かにして　春宵度（しゅんしょうわた）る
春宵苦（しゅんしょうはなは）だ短（みぢか）く　日高（ひたか）くして起（お）く
此（こ）れより君王（くんのう）　早朝（そうちょう）せず
歓（かん）を承（う）け宴（えん）に侍（じ）して　閒暇無（かんかな）く
春（はる）は春（はる）の遊（あそ）びに従（したが）ひ　夜（よる）は夜（よる）を専（もつば）らにす
後宮（こうきゅう）の佳麗（かれい）　三千人（さんぜんにん）
三千（さんぜん）の寵愛（ちょうあい）　一身（いっしん）に在（あ）り
金屋（きんおく）に妝（よそほ）ひ成（な）りて　嬌（きょう）として夜（よる）に侍（じ）し
玉楼（ぎょくろう）　宴罷（えんや）みて　酔（ゑ）ひて春（はる）に和（わ）す
姉妹弟兄（しまいていけい）　皆（みな）　土（ど）を列（れつ）す
憐（あはれ）むべし　光彩（こうさい）の門戶（もんこ）に生（しょう）ずるを
遂（つひ）に　天下（てんか）の父母（てんか）の心（こころ）をして
男（えおとこ）を生（う）むを重（おも）んぜず　女（をんな）を生（う）むを重（おも）んぜしむ
驪宮（りきゅう）　高（たか）き処（ところ）　青雲（せいうん）に入（い）り
仙楽（せんがく）　風（かぜ）に飄（ひるがへ）りて　処処（しょしょ）に聞（き）こゆ
緩歌（かんか）　謾舞（まんぶ）　糸竹（しちく）を凝（こ）らし
尽日（じんじつ）　君王（くんのう）　看（み）れども足（た）らず
漁陽（ぎょよう）の鼙鼓（へいこ）　地（ち）を動（うご）かして来（きた）り
驚破（きょうは）す　霓裳羽衣（げいしょううい）の曲（きょく）
憐（あはれ）むべし　光彩（こうさい）の門戶（もんこ）に生（しょう）ずるを
遂（つひ）に　天下（てんか）の父母（ふぼ）の心（こころ）をして
男（をとこ）を生（う）むを重（おも）んぜず　女（をんな）を生（う）むを重（おも）んぜしむ
驪宮（りきゅう）　高（たか）き処（ところ）　青雲（せいうん）に入（い）り
仙楽（せんがく）　風（かぜ）に飄（ひるがへ）りて　処処（しょしょ）に聞（き）こゆ
緩歌（かんか）　謾舞（まんぶ）　糸竹（しちく）を凝（こ）らし
尽日（じんじつ）　君王（くんのう）　看（み）れども足（た）らず
漁陽（ぎょよう）の鼙鼓（へいこ）　地（ち）を動（うご）かして来（きた）り
驚破（きょうは）す　霓裳羽衣（げいしょううい）の曲（きょく）
九重（きゅうちょう）の城闕（じょうけつ）　煙塵（えんじん）生（しょう）じ
千乗万騎（せんじょうばんき）　西南（せいなん）に行（ゆ）く
翠華（すいか）　搖搖（ようよう）として行（ゆ）きて復（ま）た止（とど）まる
西（にし）のかた都門（ともん）を出（い）づること　百余里（ひゃくより）
六軍発（りくぐんはつ）せず、奈何（いかん）ともする無（な）く
宛転（えんてん）たる蛾眉（がび）　馬前（ばぜん）に死（し）す
花鈿（かでん）　地（ち）に委（い）して　人（ひと）の収（をさ）む無（な）く
翠翹（すいぎょう）　金雀（きんじゃく）玉（ぎょく）搔頭（そうとう）
君王（くんのう）　面（おもて）を掩（おほ）ひて　救（すく）ひ得（え）ず
回看（かいかん）すれば　血淚（けつるい）　相和（あひわ）して流（なが）る
黃埃（こうあい）　散漫（さんまん）　風（かぜ）　蕭索（しょうさく）
雲棧縈迂（うんさんえいう）　劍閣（けんかく）に登（のぼ）る
峨嵋山下（がびさんか）　人（ひと）の行（ゆ）くこと少（まれ）に
旌旗（せいき）　光無（ひかりな）く　日色（につしょく）　薄（うす）し
蜀江（しょく）は水碧（みづみどり）にして　蜀山（しょくざん）は青（あを）く
聖主（せいしゅ）　朝朝暮暮（ちょうちょう）の情（じょう）
行宮（あんぐう）に月（つき）を見（み）れば　心（こころ）を傷（いた）ましむる色（いろ）あり
夜雨（やう）に鈴（すず）を聞（き）けば　腸断（はらわたた）つ声（こゑ）あり
天旋（てんめぐ）り地転（ちてん）じて　竜馭（りょうぎょ）を迴（めぐ）らし
此（ここ）に到（いた）りて　躊躇（ちゅうちょ）して　去（さ）ること能（あた）はず
馬嵬（ばかい）の坡下（はか）　泥土（でいど）の中（うち）
玉顏（ぎょくがん）を見（み）ず　空（むな）しいく死（し）せし処（ところ）
君臣（くんしん）　相顧（あひかへり）みて　尽（ことごと）く衣（ころも）を霑（うるほ）し
東（ひがし）のかた都門（ともん）を望（のぞ）み　馬（うま）に信（まか）せて帰（かへ）る
帰（かへ）り来（きた）れば　池苑（ちえん）　皆旧（みなきゅう）に依（よ）る
太液（たいえき）の芙蓉（ひよう）　未央（びおう）の柳（やなぎ）
芙蓉（ふよう）は面（おもて）のごとく　柳（やなぎ）は眉（まゆ）のごとし
此（こ）れに対（たい）して　如何（いかん）ぞ淚垂（なみだた）れざらん
春風（しゅんぶう）　桃李（とり）　花開（はなひら）く日（ひ）
秋雨（しゅうう）　梧桐（ごどう）　葉落（はお）つる時（とき）
西宮南內（せいきゅうなんだい）に　秋草多（しゅうそうおほ）く
落葉（らくよう）　階（かい）に満（み）ちて　紅掃（くれなゐはら）はず
梨園（りえん）の弟子（ていし）　白髪（はくはつ）新（あら）たに
椒房（しょうぼう）の阿監（あかん）　青娥老（せいがお）いたり
夕殿（せきでん）　蛍飛（ほたると）びて　思（おも）ひ悄然（しょうぜん）
孤灯（ことう）　挑（かか）げ尽（つ）くして　未（いま）だ眠（ねむ）りを成（な）さず
遅遅（ちち）たる鐘鼓（しょうこ）　初（はじ）めて長（なが）き夜（よ）
耿耿（こうこう）たる星河（せいが）　曙（あ）けんと欲（ほっ）する天（てん）
鴛鴦（えんおう）の瓦冷（かはらひや）やかにして　霜華重（そうかおも）く
翡翠（ひすい）の衾寒（ふすまさむ）くして　誰（たれ）と与共（とも）にせん
悠悠（ゆうゆう）たる生死（せいし）　別（わか）れて年（とし）を経（へ）たり
魂魄（こんばく）　曾（かつ）て来（きた）たり夢（ゆめ）にも入（い）らず
臨邛（りんきょう）の道士（どうし）　鴻都（こうと）の客（かく）
能（よ）く精誠（せいせい）を以（もつ）て魂魄（こんばく）を致（いた）す
君王（くんのう）輾転（てんてん）の思（おも）ひに感（かん）ずるが為（ため）に
遂（つひ）に方士（ほうし）をして殷勤（いんぎん）に覓（もと）めしむ
空（くう）を排（はい）し　気（き）を馭（ぎょ）して　奔（はし）ること電（いなづま）のごとく
天（てん）に升（のぼ）り　地（ち）に入（い）りて　之（これ）を求（もと）むるご徧（あまね）し
上（かみ）は碧落（へきらく）を窮（きは）め　下（しも）は黃泉（こうせん））
両処（りょうしょ）　茫茫（ぼうぼう）皆見（みなみ）えず
忽（たちま）ち聞（き）く　海上（かいじょう）に仙山有（せいざんあ）り
山（やま）は虚無縹緲（きょむひょうびょう）の間（かん）に在（あ）り
楼閣玲瓏（そうかくれいろう）として　五雲起（ごうんお）こり
其（そ）の中（うち）　綽約（しゃくやく）として　仙子多（せんしおほ）し
中（うち）に一人有（いちにんあ）り　字（あざま）は太真（たいしん）
雪膚（せつぶ）　花貌（かぼう）　参差（しんし）として是（こ）れまりと
金闕（きんけつ）の西廂（せいしょう）に玉扃（ぎょくけい）を叩（たた）き
転（てん）じて　小玉（しょうぎょく）をして双成（そうせい）に報（ほう）ぜしむ
聞（き）きくならく　漢家（かんか）天子（てんし）の使（つか）ひなりと
九華（きゅうか）の帳裏（ちょうり）　夢魂驚（むこんおどろ）く
衣（ころも）を攬（と）り　枕（まくら）を推（お）して　起（た）ちて徘徊（はいかい）し
珠箔（しゅはく）　銀屏（ぎんべい）　迤邐（いり）として開（ひら）く
雲髻半（うんけいなか）ば偏（かたむ）き　新（あら）たに睡（ねむ）り覚（さ）め
花冠整（かかんととの）はず　堂（どう）より下（くだ）り来（きた）る
風（かず）は仙袂（せんべい）を吹（ふ）きて　飄飄（ひょうひょう）として挙（あ）がれば
猶（な）ほ霓裳羽衣（げいしょううい）の舞（ま）ひに似（に）たり
玉容寂寞（ぎょくようせきばく）として　淚闌干（なみだらんかん）
梨花一枝（りかいっし）　春（はる）　雨（あめ）を帯（お）ぶ
情（じょう）を含（ふく）み　睇（ひとみ）を凝（こ）らして　君王（くんのう）に謝（しゃ）す
一別（いちべつ）　音容（おんよう）　両（ふた）つながら渺茫（びょうぼう）
昭陽殿裏（しょうようでんり）　恩愛絶（おんあいた）え
蓮萊宮中（ほうらいきゅうちゅう）　日月長（じつげつなが）し
頭（かうべ）を回（めぐ）らして　下（しも）　人寰（じんかん）を望（のぞ）む処（ところ）
長安（ちょうあん）を見（み）ずして　塵霧（じんむ）を見（み）る
惟（た）だ旧物（きゅうぶつ）を将（もつ）て　深情（しんじょう）を表（あらは）し
鈿合（でんごう）　金釵（きんさい）　寄（よ）せ将（も）ち去（さ）らしむ
釵（さい）は一股（いつこ）を留（とど）め　合（ごう）は一扇（いっせん）
釵（さい）は黃金（おうごん）を擘（つんざ）き　合（ごう）は鈿（でん）を分（わ）かつ
但（た）だ　心（こころ）をして　金鈿（きんでん）の堅（かた）きに似（に）しめば
天上（てんじょう）　人間（じんかん）　会（かなら）ず相見（あひみ）んと
別（わか）れに臨（のぞ）みて殷勤（いんぎん）に重（かさ）ねて詞（ことば）を寄（よ）す
詞中（しちゅう）　誓（ちか）ひ有（あ）り　両心（りょうしん）のみ知（し）る
七月七日（しちがつなのか）　長生殿（ちょうせいでん）
夜半（やはん）　人無（ひとな）く　私語（しご）の時（とき）
天（てん）に在（あ）りては　願（ねが）はくは比翼（ひよく）の鳥（とり）と作（な）り
地（ち）に在（あ）りては　願（ねが）はくは連理（れんり）の枝（えだ）と為（な）らんと
天（てん）は長（なが）く　地（ち）は久（ひさ）しきも　時有（ときあ）りて尽（つ）く
此（こ）の恨（うら）みは　綿綿（めんめん）として絶（た）ゆる期無（ときな）からん
<End Translation>